Gofish……意図せずして「聴いたことがない音楽」を紡ぐこと

横で「アハハ……」とパグダスの律っちゃんが小さく笑いながら踊ってる。そして耳元で呟く。 「なんか可笑しいよね、すごいね」 「すごいなぁ。聴いたことがない音楽やわ」 「聴いたことない、こんなの」 「とにかく、エクストリーム!」 叩きこむような強烈なビートや爆音がつんざくノイズが流れているかのような反応。しかし、今、ここで流れている音楽は、恐ろしく静かに、床を踏む音やウッドベースの軋みすらが場所全体に響き渡る、テライショウタのソロ・ユニットGofishのライヴだったりする。昨日、池袋の地下深い場所にある密閉された場所で、こんな怖いまでに開けていく音楽が実際に鳴っていた。そして、自分は、ただただ、驚き、そして声を立てて笑っていた。

のっぽのグーニー『5』

迸る、と書いて「ほとばしる」と読む、らしい。 うーん、なんかこの「迸」って文字、ほとばしってないですねぇ。「漣る」とか「崢る」「瀉る」って感じ(漢字)ですよね、ほとばしるって勢いのある言葉を表す文字は。でも、そんなことに関係なく、このアルバムは、田中淳一郎の才能が、本当に迸ってます! いや、この場所だけは“瀉ってる”にしよう(正確には“瀉”はそそ(ぐ)と読みます)! そのくらいとんでもない勢いと力、あとスピード感、それが群を抜いてある1枚です。この作品について書きたいあまりに、『4』を我慢して聴いてきたようなものです。子供のころから「好物は先食い(男兄弟がいるもので)」の自分みたいな人間にとっては、楽しみ後回しはなかなかできない。でも、その我慢ができるほど、素晴らしいのです。あ、そんなこと大したことないですか、すいません。

のっぽのグーニー『4』

先日の「宇波拓 presents 田中淳一郎フェスティヴァル」、それはそれはもう、酷いもんでした(笑)。結婚記念日を「この穴埋めはきっと!」と何度も頭を下げて、わざわざ横浜は黄金町くんだりまで足を運んで、アレ。妻よ! バカ旦那ですまん。試聴室2に入るなり宇波拓(純悪人)から「小田さん! トークゲストなんで、なにか喋って!」と前フリなく呼び出されるし。でも、タダにしてくれたから有難うございます。感謝してます。イベント自体は、 現在試聴室2の店長をやってる三沢洋紀(色男)に「あのころのベアーズ」をフラッシュバックさせるかのようなスカムなもんでした(ju sei以外)。しっかし……楽しかったなぁ。結局、田中淳一郎の謎は深まるばかり。唯一分かったことは、「田中淳一郎氏の顔は濃いいが、ブラジル系三世とかではない」ということ。それがわかっただけでも行った価値はあったとさ。あと、やっぱり田中豊はいいなぁ。尾崎だけじゃなくって浜省も入ってるけど。

JAD FAIR & TENNISCOATS『ENJOY YOUR LIFE』

「飢えた子供の前で文学は可能か?」と問うたのはJ.P.サルトルらしいけれど(原文を読んだわけではないので、らしい、で!)、そんな命題に対し「可能です……すぐ死ぬ」と皮肉っぽく言ったのはだれだっけ? なんか、中学生のころにそんな言葉をたまたま目にして、サルトルの言葉よりもその回答に対して、すげぇ極論抜かすなぁって思ったけど、「逆説で不可能ってことか?」とか、「そんな考え方もあるのか」とか、「確かにそちらの方が幸せかも」とか、「何ぬかしてんねんボケ」とか、「あぁ、死ぬってことはなんだろう」とか、ね。なんだかよく分からないけれど悶々といろいろ考えちゃった中学生……いや、未だに自分は、その命題に対して、自分なりの答えをちゃんと見つけられていないボンクラです。

王舟『賛成』

実は、俺は未だに信用していないのだが、ウチの店(なぎ食堂と言います)で働いているこの浪人生みたいな、でも妙に愛嬌のある男が、このたおやかな音楽を作っているらしい。宅録の魅力でもある濃密な“個”の空気を詰め込みながら、どういうことか、閉塞感を一切感じさせない、この音楽を。いやはや、「未だに信用していない」と言うのはもちろん嘘なのだけど、3ヶ月ほど前に、実際にその生演奏をこの目で見るまでの約1年、心のどこかで「まさかこいつじゃないってことはないだろうけれど、ライヴでは結構違うんだろうなぁ」と思っていた。でも、彼はちゃんとそこにいて、このアルバムよりももっと深く美しい歌声で、少し顎を前に出しながら、伸びやかに歌っていたのでした。

シラオカ『部屋』発売記念 in 東京

名古屋って本当に遠い場所だった。いや、自分が関西出身で、現在東京で暮らしているからって単純なことだけじゃなくって、多くの招聘企画をやってる友人たちも、以前は(いや、大手のイベンターはいまだに!)「名古屋とばし」と称して、名古屋での企画を避けたりしてる。それも分かるんよなぁ。だって、名古屋のバンドと知り合うまで、本当に名古屋は遠い場所だったから。とにかく、独特の空気が、そこには存在していた。 でも、それは勝手な話で、一度名古屋に手がかりができた途端、遊びに……否、ツアーに行くのに一番楽しみな場所に変わっていた。teasiの面々やGofishのショータくんらと知り合い(そして、その後彼らのレコードを出すことになったり)、ettのケイさんや、ICHI君をはじめとしたのうしんとうの皆さん、ハポンのモモジくん、太郎さん、stiffslackの新川さんやfile underの山田さん、パルルの新見さん、得三のモリタさんらにお世話になって……あ、そうそう、何よりも大好きな村上ゴンゾ君を名古屋に置き捨て(違う違う、東京から大阪に車で送る途中、名古屋で「今日は名古屋に泊まりますわぁ」と言って残った日以来、7年以上名古屋に住んでるんだ・笑)て以降、名古屋の「独特の空気」がとても楽しいものになったんだ。で、それ以降、いろんなバンドや人をどんどん紹介してもらったりであったりしていった。

第6回 TOKYO ZINESTER GATHERING

クセェ匂いがする波が来たときは、大きく息を吸い込み深く沈んで飲み込まれないように。上手く波を乗りこなせる輩もいれば、じっと息を潜めて時が来るのを待つ輩もいる。 前回のZINESTER GATHERINGから、気付くと1年以上経ってるのですね。オープン当初からなぎ食堂内に設置された ZINE棚を作っておられる「Lilmag」のモモちゃんや新宿の奇所Irregular Rhythm Asylumが企画するzineイベントが、今週末にまたまた催されます。この1年、あまりにいろいろありすぎて、前のジンギャザから1年も経ってるなんて風には思ってなかったけれど、ああ、そうなのだなぁ、そうなのですね。

のっぽのグーニー『のっぽのグーニー3』

長く続けているアーティストの場合、3枚目の音盤が大抵最も素晴らしい傑作になる伝説。1枚目→衝動、2→変化、3枚目→完成(この後レーベル移籍)、4枚目→問題作・破壊(バンドの場合、この直後に解散)、5枚目→コンセプチャル・アルバム:駄作 (あまりに売れなくてベスト盤を急遽リリース)、6枚目→渾身のロックオペラ、7枚目→メンバーの半分入れ替え、元メンバーのソロの方がバンドを超える……。ぶっちゃけて言えば、個人的には、大抵のバンドの1枚目と5枚目が好みです。1枚目がいいのは当たり前の話、でも5枚目あたりってダメでいいんだよなぁ。大抵、主要メンバーがいなくなっちゃって、でもそれでも気張って作って、なおかつ実験的なことしようとして、失敗。テーマだけでかいの掲げちゃって自滅。その気合の空回りが好きです。変な音入れちゃったりして。

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CD制作、快調です!