first decade of map
今から11年前、sweet dreamsという現在の日本において最高のインディマグを作っている福田教雄と、現在なぎ食堂で日々中華鍋を振り続けている小田晶房の2人でスタートしたmap。当初は『map』という音楽雑誌を定期刊行物として出そうと画策していたものの、低き処に水溜まるが如く、どんどん楽しい方へと突き進んでいき、結果、3冊の雑誌を出したまま、現在は小田が暖簾を守る形で細々と維持している状況。mapとはいったい何なのか? そしてこれからどこへ行くのか? もしかしてどこにも行かないのか? そもそも何処かへ行く切符を買う金もないのか? そんな疑問を解決する手前味噌の【小福(ショートピース)対談】。2010年初頭に行なわれた円盤ジャンボリーmap nightの際に配布された「map zine 2010」からの引用でござーます! 長〜いので、お時間のあるときにでも、ぜひ。
小田晶房:mapが10周年ってことだけど……mapって実際いつごろ始まったんだっけ(笑)? 雑誌ってことで言えば10年だけど、元々福田くんが「Giddy Up」っていうフリーペーパーをやってんよね。
福田教雄:そうそう。ちょうど『After Hours』を辞めて、鬱々としていた時期があって(笑)、そのころ何かしなくちゃなぁって思って、一人でシコシコと作っていた。そのころだっけ、『MONDO MUSIC 2001』を一緒に作ったのは?
小田:状況がぼんやりしていて覚えてないんやけど、その前に『After Hours』のジム・オルーク特集があったやん? あれで福田くんとまともに話した記憶がある。
福田:その前、同じ会社で働いていたのに、全然喋ってなかったよね(笑)。
小田:で、そのジムの特集を俺が手伝うことになって。『Bad Timing』のアナログを家の近所まで持ってきてくれて。で、家で聴いて「うぁ〜」ってなったあの感じを今でも覚えてる。一人で深夜盛り上がって、興奮して福田くんにメールした。
福田:そうだったっけ(笑)。あ、でも、小田さんの家の近所のコンビニで深夜にずっと話してたよね。そのときに、いつか自分でこんな本作りたいとか、そんな話をしたんだよ。
小田:いい話だぁ(笑)。
福田:で、『After Hours』をやめる前後に、小田さんから『MONDO〜』の編集を手伝ってって話が来て、そこではじめて一緒に編集をやった。
小田:大変だったよねぇ、あれ(笑)。大変ゆえに、連帯意識が生まれた気もするし。
福田:あのころ、シルヴァー・スクーターのメンバーで日本で英語教師をやってたショー(・キャンプ)と知りあったんだ。ライヴハウスじゃなくって、渋谷の外人バーみたいなところでほとんどノンPAでライヴとか自由にやってて、「あ、こんなやり方もあるんだ」って思ったりしてた。
小田:今から考えたら悪い空気の店やったね(笑)。でも、そこにスワームス・アームとかワン・スターとかも出てたんだっけ?
福田:そう、ショー繋がりで出てた。なんか小田さん、気付いたらPAやらされてたよね(笑)。劣悪な環境だったけれど、なんかワクワクする感じがあったんだよ。酒を飲む人もいれば、音楽を聴く人もいる。あれは今でも憧れるなぁ。
小田:まさにパブ・ロック! で、その後になぜか一緒にアメリカに行くんだ。
福田:10人くらいでアメリカ・ツアー(笑)。ショーがスワームスが好きでテキサスのオースティンに呼びたい、ライヴもできるよっていうから付いて行ったんだよね。
小田:俺と福田くんがパーティ・バンドみたいなので演奏するだけでなく、ウチの嫁の素人バンドまでが演奏していた(笑)。でもあのツアーは大きいなぁ。ヒューストンの廃墟ビルの屋上でライヴをしたり……。
福田:やたらでかいロフトでライヴをやったり、シルヴァー・スクーターのトムの家の裏庭でライヴをやったり。アメリカ人って、あんな状況を作るのが上手いなぁって思った。自然に音楽がある感じ。mapでライヴハウス以外でライヴをしたいって思ったのも、この時の経験が大きいと思う。
小田:そうだよねぇ。今でもあれが続いてる感じはある。で、そのアメリカ・ツアーが終わった後に、一気に『map』を作ったんだ。当初は福田くんの本を俺が手伝うってことで始まったから、福田くんが借金をしてスタートした。
福田:あの代官山のアパートで(笑)。あのアパートがあったから『map』ができた。
小田:そうや! 地獄の編集作業。夏場にクーラーも全然効かないアパートで、部屋中校正紙が散らばってて気が狂いそうになってた。でも、この1号目で既に今に繋がることばっかりなんだよね。インタビューがタラだったり、ラブクライだったり。
福田:そうだよ。なぜかタラが最初に来てる。でも必然だったのかなって思うナァ。あと、Presspopと知り合ったのもこのときかな。常に旅行記が載っていたりするのは、今の『Sweet Dreams』にも繋がるし。
思い出話ばかりしているわけにはいかないけれど、当初どんな本を作りたかったか、の話へとすすむ>>>>>>>>


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