キングジョー×須田信太郎

一昨年くらい前からだっけ。踊るDJとして、そして味わい深いタッチで決める絵描きとして、希代のガレージマニアとして知られる妙にいい声を聴かせる男キングジョーが、なぜか自身はあくまでも原作に徹して、須田信太郎氏と共にマンガを執筆、そしてweb上にちょこちょこアップし始めたのだ。基本、DJやバンドマンを描いているんだけれど、音楽マニアがイキッたパターンのマンガじゃなくって、なぁんか、切なくて、汗臭くて、時には栗の匂いすら立ちこめてくる。人肌じゃなくって、「手の垢」を感じさせるコミック。加え、キングジョー先生らしい現代のファンタジーに仕上がっているのがたまらなくって、ちょいと店が暇な夜なんかに、「そろそろ新作がアップされてへんかしらん?」とwebをたどったりする。で、大抵、そんな微妙な気持ちの時にいい感じのものが更新されてたりするんだよなぁ。

最近では、その組み合わせで「Trash Up」にも名品「ゾンビDJ」が収録されていたりしますが、これまでの作品の中では、「素振り暮らし」が個人的には一番好き。もちろん、どの作品にもキングジョーの音楽への思いとか、イカした女の子への思いとか、レコードに対する偏愛が盛り込まれているわけですが、この2月の終わりにアップされた最新作「スティル・クレイジー」では、ついにキングジョー先生自身が完全に投影されている主人公が登場! コレが……もう……いいんだよなぁ。中古レコードに書かれた、自分のサイン、最初の9ページで、もう切ない。この先、週末をめどにちょこちょこアップしていく、らしい。

どうでもいいけれど、あれいいんよなぁ。レコードに書かれた文字って、なんかたまらん。CDだとなんか邪魔な印象すらあるんだけれど、レコジャケだといいんだよなぁ。

この先どうなるかは分かりませんが、とにかく週末の楽しみがまた増えました。嗚呼。

>>>「漫画の須田信太郎

【追記】本日3月2日、たぶんこれまでのキングジョー×須田信太郎シリーズの最高傑作とも言える「スティル・クレイジー」 が完結。想像以上に切ないなぁ。ただファンタジーがないわけじゃないのが素敵じゃないか! と、いうことで、たぶん本作のBGMであろう夜のストレンジャーズの「スティル・クレイジー」をペタリ。プロフィールを見たら「99年に以前のバンドやめてからというものたまに働いては酒ばかり呑んでるという怠惰な生活からの脱出、社会復帰へのリハビリとしてミウラとテツオが近所の呑み友達ヨーホーを誘って結成……」。もうたまらんなぁ。