西川文章、という人 その1

大阪に西川文章という男あり。関西一円でライヴを頻繁に観てる人ならば、かつてのブリッヂとか旧グッゲンハイム邸のPA卓の前でじっと演奏を見つめてる髭面のあんちゃんがいると思う。その人です、その人。

彼はPAや録音エンジニアとして某専門学校において先生もやっちゃったりしてるけれど(まーじーでーすーかー?)、ギタリストとして、自身のバンドかきつばたや稲田誠らとのブラジル、ティム・オリーブとのデュオ、最近ウタモちゃんとのデュオであるホアン海はちょっと活動を休んだようだけれど、とにかく演奏家としてとても凄い能力を持った男だったりします。

で、そんな西川文章君をフィーチャーしたライヴを東京は渋谷のなぎ食堂にて急遽行ないます。

【新しきムードミュージックの宴〜西川文章×植野隆司×mc.sirafu】
5月30日(水) 渋谷・鶯谷町なぎ食堂
料金:2,000円(adv./door)※予約限定20名 予約はコチラから!
pm 7:30 open / pm 8:00 start

この日は、西川文章、植野隆司(from tenniscoats)、mc.sirafu(from うつくしきひかり、片想い、etc)の3人が、ほとんど生音で【ムードミュージック】をテーマにほぼ即興的に演奏を行ないます。即興演奏家として丁寧な演奏を行なってきた西川文章、ギターのみならずグラスやサックスを奏でる植野隆司、スティールパンからトランペット、マンドリン等さまざまな楽器を演奏するmc.sirafuが音楽を作ります。まだ何も決まってません。いや、決まったから何ができるのか? もしかして3人とも楽器自体を演奏しないかもしれない(そういうことをする奴らです)。とにかく、お題は【ムードミュージック】です。当日はなぎ食堂の飯ももちろんありますので、飯を喰い、酒を飲みながら彼らの一挙手一投足を見てみぬふりをしてもらえれば嬉しいです。 前日の「うつくしきひかり×テニスコーツ」のPAとして文章くんに東京まで来てもらったということによって実現したこのトリオライヴ。この先もあるのか、どうなのか? それは分からないけれど、まぁ楽しんでもらえるものだろうと思っております。

文章くんと知り合ったのは……あれ、もう12,3年前だなぁ。つい昨日のことのよう(それは嘘)だけれど、村上ゴンゾくんと当時一緒に音楽を作っていたり、いや、文章くんがゴンゾ君を居候させていたんだよなぁ。で、その時訪れた大阪の某謎マンションにいまだ文章くんは住んでいて、気付くとそこの1階をスタジオにしていたりもする。

とても穏やかだけれど、実は結構辛辣で、でも嘘を吐かない輩。そして何よりも音楽家、エンジニアとして優れている。とても優れている。だから、これまで三田村管打団?の録音・ミックスやたゆたうのマスタリング、最近ではうつくしきひかりの録音〜マスタリングまで、ここぞという時にいろいろお願いしていたりする。ウチ以外でもテニスコーツや、ふちふなの渕上純子とビッケのJBを始め、クセのある野郎どもの演奏を見事にパッケージ、とにかく任せて安心なんですよ。

彼の録音の特徴は、 楽器の音をハイファイ志向ではなく音楽的に取り扱ってくれる、ということ。フィールドレコーディングも得意としてるんだけれど、時折クリアではない録音も意図的にしたりする。例えば、うつくしきひかりのスティール・パンの音を聴けば分かるけれど、生で聴こえるパンの音と少しだけ違う。なんだろ、ハイファイ的な意味で言えばどこか削れてるんです。多分生で聴けばもう少しクリア、でも音楽に落としこむとき、そのクリアさが少し邪魔になることもある。例えば、パンとピアノの音って実は倍音がぶつかりやすい。チューニングも微妙に違うし、それが上手く合わなかったら変な響きになるだろうなぁって思ってた。でも、出来上がった音を聴けば、その2つの音がぶつかるときもあれば、きれいに並んでる瞬間もあったり。どういう風に作ったかはしらねども、とにかく耳に痛い音にまったくなっていない。

以前、渕上の純ちゃんに「なんでJBを西川君で録音したん?」と訊いたら、とあるライヴで本当にどうしようもない、というかどうしたらいいか分からないような状況になったことがあったらしい。でも、そんなときにPA卓に座ってる西川文章くんがそれらの音を見事にまとめ上げ、ちゃんとした形にしてくれたことがあるそう。そういう信頼感が結べるのって、やっぱり彼が音楽家だから、だと思ってる。

でもって、そんな文章くんのリーダーバンドにかきつばたってのがあって、文章くんの大学時代の友人たちで結成され、今やpopoの山本くんや森山ふとしくんらが参加したこのバンド、年に1,2回くらいしかライブをしないものですが、とにかくかきつばたの作品を出そう、と今から6年ほど前に話しました。でも、まだ出てません(笑)。出てない理由は、実はとんでもないお願いを俺がしちゃったからなんですが、とにかく出てません。しかし、テニスコーツさやちゃんや三田村管打団?、オオルタイチ&ウタモちゃんら、どうやらいろんな人たちの協力によりほとんどできたとのこと。これはねぇ、もう、ねぇ。早く聴いてほしいんですよ(ってまだ俺も完成品を聴いてないけれど)。でも、まだいつ出せるかは未決定。

そんな西川文章くんについてはまだまだ書くことはあるのですが、とりあえず演奏家としての西川文章くんの力量をとにかく見てほしい。まだまだ関西にはとんでもない輩がいるだろうけれど、文章くんはそんな輩の裏ボスっていうか、ほとんど全員から尊敬されているような男。とにかく、5月30日、お待ちしております!