popoの3rdアルバム『azemichi』、12/13にリリース!

音のスキマから、
自分がどこにいて何をしているかが、
暖かく伝わってくる。

より確信的で、軽妙さも増した
スカ・ジャズ・サイケ?なアンサンブル!
(エマーソン北村)

 2本のトランペットとオルガン、だけ。そのシンプル極まりない組み合わせで奏でられる、隙間だらけのインストゥルメンタルミュージック。でも、この音楽を聴いて、何かが足りないと思う人がいるだろうか? シンプルでいて濃厚、牧歌的でいて実験的。そして、こんな音楽は世界中探しても他にどこにもないという事実。彼らの音楽を耳にしたミュージシャン……オルタナティヴなポップミュージックを奏で続けるジャド・フェアが、そしてパンクから実験音楽までを掘り起こし、自ら鳴らしてきたデヴィッド・グラブスまでが、異口同音にそう口にする。

 popoの音楽を耳にした時に感じる、濁濁とした気分がゆっくりと濾されていくような感覚。それは大きく吸い込んだときに胸がすくような空気や、無駄なものが一切入っていないのにやけに旨い清水を喉を鳴らしながら飲み干すような、そんな感覚にとても似ている。そんな彼らの音楽は、一人で部屋で聴くのも良し、喫茶店の古いスピーカーから流れ出すのも良し、どでかいサウンドシステムで爆音で鳴らすのも最高だし、騒がしい場所で小さなラジカセから鳴らされてもしっかり音楽として響いてくる。もちろん、巷に流れる嘘くさいヒーリングミュージックとは、一線どころか、まったく逆の場所に位置しているということを言葉で伝えねばならぬ。この音楽は、毒にも薬にもなる。

 地元の福井は敦賀にて、昼は手に馴染みの良い陶器を焼き、夜はやたらに旨い飯を作り続ける喜多村朋太が奏でるバックビートのオルガンを道標に、神戸を中心に、宇波拓率いるHOSEをはじめ数多くのセッションにおいて、独自の奏法をベースに場所の空気を震わせる異能・江崎將史のトランペット、時にテニスコーツやオオルタイチの管の響きを支え、時にインドネシアの古い歌謡曲をディグする山本信記のトランペットと電子音が、静かに歩調を合わせる。  3作目となる本作では、基本的な骨格は同じでありがながらも、リズムやビートに対する感覚が年を経て大きく変化してきており、メロディが持つリズムを核に据えた、静謐な躍動を十二分に楽しむことができる。また、スカタライツのトロンボーン奏者ドン・ドラモンドの楽曲に加え、インドネシアの古いポップソングをpopoのスタイルで見事にカバー。全編を通して、ゾクッとするほどにエキゾチックなサウンドに仕上がっている。

 すべての楽曲は、現在京都は出町柳で「山食音」というヴィーガンカレー屋を営みながらフィールドレコーディングを得意とするエンジニア、東岳志の手で丁寧にトリートメント。キーボードを押し込む軋みからトランペットのピストンの昇降の音まで、リアルに記録されているのが嬉しい。  心の中にたくさん音楽を詰め込んでいる人であればあるほど、popoの音楽の隙間を自らの想像力で埋め、そして大きく美しい音楽として共鳴させることができる、と思っている。だからこそ、この音楽を、そんなあなたに聴いて欲しい、と願うばかりだ。